通勤列車での再会

朝の通勤ラッシュは、相変わらずの込みよう。
私が乗る駅から、3つ目の駅からこんできます。
その日は、いつもより1本遅い電車に乗ることになりました。
ちょっとゴミだしをしていたら遅くなったのです。

でもまあ遅刻はしないだろうと思いつつ、とりあえず今日のスケジュールをスマーフォンで見ていました。
電車が入ってきて、ふっと顔を上げるとちょうどドアが開くところだったのです。
その瞬間目が一人の男性にくぎづけになったのです。
本当にびっくりしました。
私が今までの生涯で一番長く付き合った彼がそこにいたからです。
学生の頃からの付き合いでしたら思い出すのは、若さあふれる彼でしたが、今はそれなりの年をとって、それなりに立っていました。
確か彼は2つ手前の駅に以前は住んでいましたし、都内の会社でしたら、同じ電車になる可能性は、環境がかわらななければあったのだけど、まさか、本当に偶然にあうとは。
そして、私たちは目があってしまったのです。
今更無視はできません。
隣に立って、「おはよう、ひさしぶりだね」とあいさつ。
だんだん混んでくる電車の中で、当たり障りのない会話をしながら、何気なく彼を観察していました。
たぶん、彼もそうなんでしょう。
独身主義だといきまいていた彼。
薬指には指輪が光っていました。
さすがにちょっとがっかりしてしまいましたが、それでも、「またな」っていう彼の声に「うん、またね」と返事をした私は、それ以来、電車が入ってくると、彼を探しています。
でも、いつものより1本早い電車で行くようになったのは、ちょっとした抵抗。

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